特許権侵害訴訟:フリーvsマネーフォワード – 弁理士さわべゆみこブログ – さわべ特許事務所

freee株式会社が株式会社マネーフォワードを特許権侵害訴訟を提起したというニュースが報じられました。
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO10414420X01C16A2TJC000/

freee社のプレスリリース
https://corp.freee.co.jp/news/news-1208-5783.html

どちらもクラウドでの会計サービスを提供しており、freee社は、以前テレビCMも放映していた勢いのある会社ですね。

訴訟において各社がどのような主張や反論をし、裁判所がどのような判断をするのかについては、今後裁判の行方を見守っていく必要がありますが、訴訟提起の報に触れ、公開されている特許情報から各社の知財に対する姿勢を考えてみたいと思います。

特許情報プラットフォームJ-PlatPat(https://www.j-platpat.inpit.go.jp/web/all/top/BTmTopPage )で検索してみると、freee社は、2013年から5件の特許出願を行い、2件の特許権が発生しています。
一方、マネーフォワード社の公開されている特許出願は、2015年に出願した1件のみで、まだ特許にはなっていないようです。

マネーフォワード社に比べ、freee社のほうが知財に関する意識は高く、早くから権利化を目指すとともに、毎年コンスタントに特許出願していることから、知財に関する知見も蓄積されているものと思われます。

やはり自社技術の強みを見出して権利化するには、知財に関する知識や自社に合ったやり方など、ある程度の時間と試行錯誤が必要になりますので、知財についての取り組みは早めに取り掛かることが重要になると思います。

もしマネーフォワード社がfreee社と同様に知財への取り組みを進め、freee社特許に対抗する有効なカウンター特許を保有していれば、訴訟に至らない可能性もあったのではないかとも思います。

知財の分野でも、スピードとタイミングは重要ですね。

さわべ特許事務所
http://sawabe-pat.com/

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