職務発明の法改正の指針(ガイドライン)案公表 – 弁理士さわべゆみこブログ – さわべ特許事務所

昨年(2015年)話題となっていました「職務発明」改正について、改正特許法第35条第6項の指針(ガイドライン)案の概要が公表されています。
図も使って、分かりやすく説明されているので、一読をお勧めします。

https://www.jpo.go.jp/seido/shokumu/pdf/shokumu/09.pdf

そのなかで、職務発明を発生時に使用者等に帰属させる場合は、次のようにまとめられています。
”使用者等が従業者等に対してあらかじめ職務発明規程等に基づいて帰属の意思表示をした場合には、
 ①特許を受ける権利は、発生したとき(発明が生まれたとき)から使用者等に帰属する
 ②従業者等は、相当の金銭その他の経済上の利益を受ける権利を有する
 ③ガイドライン(指針)に従って、相当の金銭その他の経済上の利益の内容を決定”

「③ガイドライン(指針)」の概要として、使用者等及び従業者等が行うべき手続の種類と程度の明確化がなされていますので、職務発明を発生時に使用者等に帰属させたい企業は、チェックしておくとよいと思います。
※まだ指針案なので、正式なものは改正法が施行される予定の今年(2016年)4月1日以降に告示される予定です。

そのなかで、従業者が得られる「相当の利益」には、金銭以外の経済上の利益も含まれ、例として、次のようなものが挙げられていました。
”(一) 使用者等負担による留学の機会の付与
 (二) ストックオプションの付与
 (三) 金銭的処遇の向上を伴う昇進又は昇格
 (四) 法令及び就業規則所定の日数・期間を超える有給休暇の付与
 (五) 職務発明に係る特許権についての専用実施権の設定又は通常実施権の許諾”

自社の状況に応じた、さまざまな「相当の利益」を定めることによって、企業としての負担の軽減や、企業全体の価値を向上させつつ、従業者等の発明へのモチベーションもアップできそうですね。

さわべ特許事務所
http://sawabe-pat.com

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