知財相談でのよりよい対応のためにー実務家のための知的財産権判例70選ー – 弁理士さわべゆみこブログ – さわべ特許事務所

知財に関する相談では、自社の発明が特許されるのか、商標、意匠が登録されるのか否かについてお答えるすることが一番多くなります。

このようなご相談を受けた場合は、まずご相談の対象が法上の保護対象に該当するのか、または、ご相談の対象から法上の保護対象を抽出できるのかが最初のハードルになります。

法上の保護対象となる部分を明確にすることができたら、次に同一または類似する発明、意匠が既に出願・登録されていないか調査します。
商標の場合は、同一または類似する商標が既に出願・登録されていないかとともに、権利化したい商標が識別力を有する商標であるか否か等についても検討します。

ここで、まったく同一の発明、意匠、商標が見つかった場合の判断は、比較的困難ではないのですが、一部に同一・類似する部分がある場合(例えば、他と組み合わせると、相談対象と同一のものができそうな場合)には、判断が難しくなります。
そのような場合の権利化の可能性や、相談対象を変更することなくどのような説明をすれば審査官に納得してもらえ、特許査定や登録査定を受けることができるかを検討するための材料となるのが、知的財産権に関する判例です。

知的財産権裁判での裁判官の判断は、それぞれ個々の裁判の状況に応じて異なりますが、相談対象に近い判例を知っておくことによって、より適切な判断をすることができます。

特に、市場や社会の変化、個々の取引の実情等によって識別力や類否の判断が変化する商標については、近年の判例を学んでおくことによって、より踏み込んだ回答ができると考えています。

日頃から気になる判例をチェックしておくためには、こちらのサイトが役に立ちます。
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/search1

しかし、生の判決文は、長いものが多く、ポイントを抑えて読込むのは結構骨が折れます。
そこで、実務家の強い味方が「実務家のための知的財産権判例70選」です。

2014年度版は、平成25年4月10日~平成26年3月27日判決を、1判決につき、4ページ程度で、各法に精通された弁理士の先生方がポイントをまとめてくださっており、最近の判例を比較的短時間でチェックできます。

弊所では、知財相談でのよりよい対応のために「実務家のための知的財産権判例70選」で判例のポイントをきちんと抑えるとともに、専門分野であるIT分野特有の課題についてのご相談に対応させていただいています。

さわべ特許事務所
http://sawabe-pat.com

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です