商標権で自社商品の品質保証:登録商標「黒七味」 – 弁理士さわべゆみこブログ – さわべ特許事務所

先月末(2015年10月末)に、ロッテリアが「黒七味」の商標権侵害の警告を受け、限定ポテトフライの販売を中止したと報じられました。
http://www.sankeibiz.jp/business/news/151028/bsd1510281242001-n1.htm

縦書きで筆字で書かれた商標「黒七味」は、指定商品を「白胡麻・黒胡麻・一味・山椒・けしの実・麻の実・青のりを主原料とし乾煎りした後さらに手もみで練り合わせて製造した七味唐辛子」とし、平成20年(2008年)8月8日に商標登録されています。

審査経過を確認してみますと、審査では。本件商標は商品の品質を示すにすぎず識別力がないと判断され拒絶査定を受けたようですが、出願人は、その判断を不服と考え、拒絶査定不服審判を請求し審判で登録査定を受けています。

記事のなかで、商標権者である株式会社原了郭の、黒七味の味が誤解され、全国に広がることを防ぎたかったという意図が紹介されており、自社商品の味という品質に守ることに商標権が一役買ったようです。

本件商標は、出願のタイミングもよかったのではないかと思います(※)。
商標「黒七味」の出願日は、平成17年(2005年)8月31日なのですが、その出願のタイミングが遅く、例えば多くの競合他社が同じ名前で商品を販売しており、その商品の普通名称と需要者に認識されてしまっていたら、商標登録は難しかったでしょうし、審査での拒絶査定で諦めてしまえば、商標権は発生しなかったわけで、自社の知財のどの部分に価値があり、どのように守っていくのかは、自社ビジネスを考えるうえで重要な戦略となります。

そのような戦略を、ともに考え、知財制度をうまく使いこなせる特許事務所を是非活用してみてください。

※登録要件が判断されるのは、原則査定時または審決時です(弁理士試験受験生用注意書きです^^;)

さわべ特許事務所
http://sawabe-pat.com

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