身近な特許:回転寿司といきなりステーキ – 弁理士さわべゆみこブログ – さわべ特許事務所

料理を提供する発明として有名なものと言えば、「回転寿司」の元祖である元禄寿司の「コンベア旋回式食事台」があげられます。
http://www.mawaru-genrokuzusi.co.jp/history/

元禄寿司からの寿司レーンへの給茶装置の組込み依頼をきっかけに、回転寿司のコンベアシステムは「株式会社 石野製作所」が製造を担当し、1980年代から特許を多数取得しています(2017年11月19日現在140件の特許を取得、一部存続期間満了や年金未払いによる権利消滅あり)。
http://www.chubu.meti.go.jp/koho/kigyo/107_ishino/index.html

最近話題になった料理の提供に関する特許としては、「いきなりステーキ」の「ステーキの提供システム」(特許5946491)がありますね。
特許業界界隈では、この発明が特許されたことは衝撃的で、多くの人が特許の是非についてブログを書いています。

【請求項1】
お客様を立食形式のテーブルに案内するステップと、お客様からステーキの量を伺うステップと、伺ったステーキの量を肉のブロックからカットするステップと、カットした肉を焼くステップと、焼いた肉をお客様のテーブルまで運ぶステップとを含むステーキの提供方法を実施するステーキの提供システムであって、上記お客様を案内したテーブル番号が記載された札と、上記お客様の要望に応じてカットした肉を計量する計量機と、上記お客様の要望に応じてカットした肉を他のお客様のものと区別する印しとを備えることを特徴とする、ステーキの提供システム。

太字の部分が補正され、その補正により特許法上の発明に該当するとして特許査定されています。
出願時は、「ステーキの提供方法」の発明だったものを、「ステーキの提供システム」に補正することで、拒絶理由を解消する手法は、目からうろこの感もあり、今後参考にしてみたいと思います。

「ステーキの提供システム」(特許5946491)の特許発明は、平28年6月10日に登録されていますが、J-PlatPatを確認してみると、平成28年11月に特許異議申立てがなされ、現在権利者と申立人との攻防が続いているようです。
どのような審判結果になるのか、注目してみたいと思います。

さわべ特許事務所
http://sawabe-pat.com/

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