ブランドの力:バーバリーと三陽商会 – 弁理士さわべゆみこブログ – さわべ特許事務所

昨年(2015年)6月に「バーバリー」のライセンス契約を終了した三陽商会が15億円赤字の見通しと報じられています。
http://digital.asahi.com/articles/ASJ6S552PJ6SULFA024.html?_requesturl=articles%2FASJ6S552PJ6SULFA024.html&rm=349

三陽商会は長年に渡り、商標「バーバリー」を付した衣料品の製造・販売を手がけ、多大な売上を上げていたものの、昨年のライセンス契約終了が響き売上が減少、2016年6月中間期の純損益見通しが赤字となったとのことです。

英国企業の商標である「バーバリー」のもともとのブランド力もありますが、長年日本の顧客の要望に応えたデザイン、品質、サービスを提供しつづけ、商標「バーバリー」に信用を蓄積し、顧客に愛されるブランドに育ててきた三陽商会の労力を考えると、ライセンス契約を継続できなかったことの痛手は大きく、ブランドとしての価値の大きさを改めて認識させられました。

記事は、昨年秋に新たに英国企業と「マッキントッシュ ロンドン」のライセンス契約を交わしたことを伝えていますが、商標「マッキントッシュ ロンドン」は、昨年6月に商標登録されていますから、それまで日本で使用されることもなかったと推測され、三陽商会がこれから顧客が魅力を感じるブランドにすべく、「バーバリー」と同様に、多くの時間と労力を掛けていかなければならないのだと思います。

商標権者は、自身の商標を誰にどのように使用させるかは自由に契約することができますが、その一方で、商標権者からライセンスを受ける使用権者は、どのような戦略を採るべきだったのか考えさせられる一件でした。

さわべ特許事務所
http://sawabe-pat.com/

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