英国の大手製薬会社グラクソ・スミスクライン(GSK)の知財戦略がニュースになっています。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM02H0F_S6A400C1NNE000/
記事では、同社は低所得国や最貧国で自社製品の特許を申請しないと発表したと伝えています。
医薬品は、研究開発費と開発期間が膨大です(1新薬あたり数十億円~数百億円、十数年の期間)。
巨額の費用を回収し新たな薬の開発に費やすためには、特許権等の知財権で技術を守り、他社の参入を阻止することが必要になります。
しかし、GSK社は、低所得国や最貧国以外で投資費用を回収でき、新たな開発費用も賄えているため、あえて低所得国や最貧国では特許を取得せず、地球規模での「社会問題」解決を実現しようとしています。
GSK社は、多大な投資をして得た自社技術を特許権で守ることによって、他社が開発もせず真似をして自社の成果にただ乗りすることを許さず、企業としての利益を上げて永続的に存続するとともに、自社の技術を限定的に開放することによっては社会貢献をも行なっていくという、企業にとって理想的な形が取れているのではないかと思います。
さわべ特許事務所
http://sawabe-pat.com