これまで商標を「守り」の観点でお話ししてきましたが、実は商標って「攻め」のビジネスツールとしても超優秀なんです!
今回は、商標の価値やビジネス戦略に活かすコツをこっそりお教えします♪
「ブランド資産」としての評価
商標登録した瞬間、それは立派な「無形資産」になります。バランスシートにも計上できる、れっきとした会社の財産です。
「うちは小さい会社だから関係ない」なんて思わないでください。規模は違っても、お客さんに愛されるブランドなら確実に価値が生まれているんです。
M&Aや資金調達での影響
M&Aの場面で: 買収を検討している企業は、必ず「ブランド力」を評価します。しっかりした商標権があると:
- 企業価値の算定でプラス評価
- 「ブランド」に蓄積された信用に対する安心感
- 競合他社からの注目度もアップ
資金調達の場面で: 投資家も商標権を重視します。特にVC(ベンチャーキャピタル)は:
- 「ブランド戦略がしっかりしている」
- 「知的財産を大切にする経営者」
- 「将来性が期待できる」
こんな風に評価してくれるんです。
実際に行われている商標活用の事例
ケース1:コロナ禍での発想の転換による新ブランディング 株式会社 ジンズホールディングスは、テレワークの際に目元にチークが入ったように明るく見える眼鏡を開発、商品名を「チークカラーレンズ」とし、「チークカラー」を商標出願。SNSを中心に情報拡散され市場に広く認知。
ケース2:フリーペパー等の名称 2021年、関西ぱどがSuccess Holdersから「ぱど」の商標権を1,500万円で譲受。商標権そのものが事業売却の対象とされ、その評価・金額決定に大きな役割を果す。
ケース3:アパレルブランド名 株式会社ゴールドウインは、Helly Hansen ASが保有するマリン&アウトドアブランド「ヘリーハンセン/HELLY HANSEN」の日本における商標権を、30億円で取得。
登録商標をビジネス戦略に組み込む方法
1. ライセンス戦略
- 他社に名前の使用を許可して収入を得る
- フランチャイズ展開の基盤にする
- コラボ商品での活用
2. ブランド拡張戦略
- 関連分野への商標出願で事業領域を広げる
- 将来的な事業展開の準備
- 競合の参入障壁を作る
3. 投資家アピール戦略
- 商標ポートフォリオを資料で紹介
- ブランド戦略の一環として説明
- 知的財産重視の姿勢をアピール
小さく始めて、大きく育てる
「まだ小さい会社だから…」そんな謙遜は不要です。大きなブランドも、みんな小さなところからスタートしています。
商標登録は「将来への投資」。今は小さくても、5年後、10年後にその価値が何倍にもなって返ってくる可能性があります。
日本発のブランドは、海外でもまだまだ注目されます。「メイド・イン・ジャパン」の価値と一緒に、あなたのブランドも世界に羽ばたくかもしれません。
まとめ:商標は「守り」から「攻め」へ
この5回のシリーズを通して、商標の重要性をお伝えしてきました。最初は「守り」の話から始まりましたが、最終的には「攻め」のツールとしても活用できることが分かりましたね。
商標登録は、あなたのビジネスの可能性を広げる第一歩。小さな投資が、大きなリターンを生む可能性を秘めています。
ブランドを大切に育てて、ビジネスを次のステージへ押し上げましょう!
シリーズ完結!でも商標の世界はまだまだ奥深い…
5回にわたって商標の基本をお話ししましたが、実はまだまだ知っておくと得する情報がたくさんあります。気になるトピックがあれば、ぜひコメントで教えてくださいね!
さわべ特許事務所
コメントを残す