「商標はもう取ってあるので大丈夫です。」
ご相談の中で、よく聞く言葉です。
実際、商標登録証もあり、登録番号もある。
一見すると、何の問題もないように見えます。
ただ――
“本当に守りたい範囲までカバーできているか”までは、確認されていないことが少なくありません。
今回は、実際によくあるケースをご紹介します。
■ 事例:商標はある。でも守れなかった
ある会社では、サービス名について商標登録をしていました。
出願自体は別の事務所に依頼し、問題なく登録もされています。
その後、順調に事業が伸びていき、
あるタイミングで「似た名前のサービス」が他社から出てきました。
そこで、こう考えます。
「うちは商標を持っているから、警告できるはず」
ところが――
ここで問題が発覚します。
■ 実は「指定役務」がズレていた
登録内容を確認したところ、
指定役務が現在の事業内容とズレていたのです。
つまり、
- 商標は登録されている
- でも、肝心の事業分野がカバーされていない
という状態でした。
この場合、どうなるか。
結論としては、
そのままでは、十分に権利行使ができない可能性がある
ということになります。
■ なぜこんなことが起きるのか
理由はいくつかあります。
① 出願時点では事業が固まっていなかった
スタート時はシンプルなサービスでも、
後から機能追加・拡張がされるのはよくあることです。
② 指定役務の設計が「広すぎる or 狭すぎる」
- 無難な内容で出願している
- テンプレート的に選ばれている
- 実際のビジネスとのすり合わせが弱い
③ 事業の変化に合わせて見直していない
一度登録すると、そのまま放置されがちです。
■ 結果どうなったか
この会社では、
- 急いで現在の事業をカバーする指定役務で再出願
- 登録されるまで様子を見るしかない
という対応になりました。
つまり、
「守れるはずのブランド」を、すぐには守れない状態になった
ということです。
■ 商標は「取ること」より「設計」が重要
商標というと、
- 取ったかどうか
- 登録されているか
に意識が向きがちです。
ですが実務的には、
どの範囲を押さえているか(指定商品・役務)
がすべてです。
ここがズレると、
- 侵害に対して動けない
- ライセンスの価値が下がる
- ブランドを守れない
といった問題につながります。
■ 今すぐチェックしたい3つのポイント
一度、次の観点で確認してみてください。
① 現在のサービス内容をカバーしているか
機能追加や事業拡張があった場合は要注意です。
② 今後の展開も含まれているか
新規事業・海外展開なども含めて考える必要があります。
③ 競合とぶつかる領域を押さえているか
実際に争いが起きるのはここです。
■ 「問題が起きてから」では遅いこともある
今回のように、
- 侵害を見つけてから
- 慌てて出願する
というケースは珍しくありません。
ただし、
出願しても、すぐに権利は発生しません。
このタイムラグが、実務では大きな差になります。
■ まとめ
商標は、
「持っているかどうか」ではなく
「ちゃんと守れる状態かどうか」
が重要です。
■ ご相談について
「商標は取ってあるが、このままで大丈夫か分からない」
「事業が広がってきたので見直したい」
このようなご相談も増えています。
弊所では、
- 現在の登録内容のチェック
- 事業とのズレの確認
- 必要に応じた追加出願の検討
といった整理を行っています。
一度見直しておくことで、
“いざというときに動ける状態”を作ることができます。—
初回相談のお申し込みはこちら
→さわべ特許事務所:問合せフォーム
https://form.run/@qzd–CkjssoNyrqmhcDCfyjjs
さわべ特許事務所
コメントを残す