前回のブログに続き、2021年7月14日に発表された「特許行政年次報告書2021年版」の内容を見てみましょう。
https://www.jpo.go.jp/resources/report/nenji/2021/index.html
企業等における都的財産活動の章では、2020年特許登録件数上位10社(国内企業)が発表されており、上位3社は前年と変わっていません。
1位 キャノン株式会社 3,680件(前年4,264件)
2位 三菱電機株式会社 3,626件(前年3,543件)
3位 トヨタ自動車株式社 2,714件(前年2,898件)
中小企業の特許出願件数を見てみると、中小企業は、全企業数約359万社の99.7%を占める約358万社で、内国人による特許出願件数約22.7万件のうち、中小企業が占める特許件数は約4万件(17.5%)程度です。
なお、中小企業白書2021をみると、付属統計資料の産業別規模別企業数(2016年)での「中小企業+個人事業者数」が約358万社であり、中小企業数は約160万社、うち小規模企業が約119万社です。
中小企業の特許出願数が適切なのかは、企業の内容等を詳細に見てみる必要があると思いますが、大企業と対抗する、または大企業と協業したい中小・ベンチャー企業なら、特許出願を含む自社の知財戦略については一度は検討すべきだと思います。
また、ブログでもこの頃よく取り上げている、産学連携に関連する大学等の特許出願については、2020年は7,084件であり、前年7,608件からは減少したものの近年は、7,000件前後で推移しているようです。
特許登録件数上位11大学が発表されており、上位3校は下記になります。
1位 東京大学 213件
2位 大阪大学 205件
3位 京都大学 190件
このように統計をみていくと、日本の知財の大枠を確認することができ、自社の知財における位置付けを確認することの一助になると思います。
さわべ特許事務所
https://sawabe-pat.com