「梅ケ枝餅」の商標を許可なく使用して餅菓子を販売した男が商標権侵害の疑いで逮捕されたと記事が伝えています。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO29290020S8A410C1ACX000/
福岡出身で、太宰府天満宮の「梅ケ枝餅」をよく食べている身としては、気になるニュースです。
記事によれば、「崩し字の『梅』だったので大丈夫だろうと思った」と容疑を否認しているそうですが、登録商標が崩し字の「梅ケ枝餅」であっても、称呼(商標の読み方)が「ウメガエモチ」で共通すれば、消費者は、太宰府天満宮の参道や茶屋で売っている、あの「梅ケ枝餅」だと、誤解する可能性が高いので、商標権侵害と判断されたものと思われます。
たまに、商標権を侵害した人が逮捕されるニュースが報じられますが、商標権や特許権の侵害には刑事罰が定められているため、権利者が裁判を起こさなくても、権利侵害があれば、法で裁かれることになります。
さて、「梅ケ枝餅」の商標は、3件の登録と2件の出願が太宰府梅ケ枝餅協同組合によってなされています。
もっとも古い登録は、昭和32年(1957年)8月7日ですので、ずいぶん前から、「梅ケ枝餅」という商品名の価値を認識し、商標登録して保護するとともに、長年皮のもちもち感やあんこの味、パッケージ等の品質を維持して、「太宰府梅ケ枝餅協同組合」関係者以外の者が真似したくなるような「梅ケ枝餅」ブランドを築いてきたことがわかります。
さわべ特許事務所
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