少し前の記事ですが、記事は、産業技術総合研究所(以下、産総研)が、人工知能(AI)の「品質保証ガイドライン」を本年度中にまとめる予定であることを伝えています。
それに関連して、シンポジュウムの講演資料も公開されています。
上記資料に記載されていますが、従来の、入力データ→プログラム→出力データで機能が定義される製品と異なり、AI製品は、過去データを用いて事前に機械学習で得られたモデルを用い、入力データ→モデル→出力データとなりますので、処理の中身がブラックボックスであり、仕様定義が訓練データに依存する等、従来のソフトウェア工学で品質が管理できないという問題があります。
その問題に対し、産総研は「機械学習ソフトウェアの品質管理フレームワーク」として、「品質評価ガイドライン」を策定し、「国際規格」化を目指すとともに、品質管理・評価要素を技術開発し、「品質管理、評価ツール」を開発していく計画だそうです。
今後、AIは、さまざまな製品に組み込まれていくものだと思いますが、そのロジックを人が直接認識できないからこそ、その品質を評価するということが、これからますます重要になってくるものと思われます。
ですから、AI製品を開発する企業に限らず、AIを利用する企業にとっても、この「AIの品質保証ガイドライン」は注目すべきトピックだと思います。
また、従来日本企業が得意としてきた、このような品質を作り込むような活動によって、AI製品の「日本品質」が求められる時代がくるのかもしれません。
さわべ特許事務所
https://sawabe-pat.com
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