損保ジャパン:知財侵害の賠償金補償保険を発売

損害保険ジャパンは、知的財産権を侵害した場合の賠償金を補償する保険を4月に発売したと記事が伝えています。
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO71474960Y1A420C2EE9000/?unlock=1

損害保険ジャパンのニュースリリースはこちらです。
https://www.sompo-japan.co.jp/-/media/SJNK/files/news/2021/20210430_1.pdf?la=ja-JP

保険適用地域は全世界で、特許権、商標権、意匠権、実用新案権が対象となり、以前から補償対象であった争訟費用に加え、損害賠償金も補償するそうです。

以前に、特許庁補助事業として、「海外知財訴訟費用保険制度」を紹介しましたが、今回は、日本も含む全世界での、知的財産権を侵害した場合の損害賠償金を補償してくれる保険だそうです。

「海外知財訴訟費用保険制度」
https://www.shokokai.or.jp/gyomu/doc/IProperty_os/IProperty_os_sj_2020.pdf

知的財産権侵害の損害賠償金の支払いが多いのか調べてみますと、知的財産高等裁判所のウェブページに「統計」ページがあり、特許権の侵害に関する訴訟における統計(東京地裁・大阪地裁,平成26~令和元年)には、判決で認容された金額が1億円以上が18件と記載されています。
https://www.ip.courts.go.jp/documents/statistics/index.html

特許権の侵害に関する訴訟における統計(東京地裁・大阪地裁,平成26~令和元年)
https://www.ip.courts.go.jp/vc-files/ip/2020/2019_sintoukei_h26-r1.pdf

この件数を多いと見るのか少ないと見るのかは、自社の状況により、それぞれだと思いますが、高額な損害賠償請求に備えて、保険を利用することも一案だと思います。

それに加えて、自社技術の棚卸しをして価値ある技術を権利化することと、他社の技術動向、権利化動向を一定期間ごとに確認しておき、他社の権利に注意を払っておくことも重要だと思います。

さわべ特許事務所
https://sawabe-pat.com

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