商標登録を検討する場合、自社の会社名を商標登録すべきかどうかを質問されることがあります。
これは、会社名を自社と他社の商品やサービスと識別するために使用するのかどうかによります。
例えば、夏の蚊取り線香でお馴染みの「金鳥」は、会社名ではありません。
会社名は、「大日本除虫菊株式会社」で、あまり聞いたことがないのではないかと思います。
蚊取線香を指定商品とした「金鳥」の文字と絵を含む商標は、昭和27(1952)年2月25日に登録されていますので、大日本除虫菊株式会社は、会社名ではなく「金鳥」を商品の目印として他社の商品と識別しようと考えたのでしょう。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1800/TR/JP-1949-003274/F1C9CF482D5A8FEADABDB9494013CD076620E9C6CB9F01149823F677407B30CF/40/ja
大日本除虫菊株式会社の沿革と「金鳥」商標のいわれはこちら。
https://www.kincho.co.jp/kaisha/ayumi/index.html
なお、「大日本除虫菊」の文言についても、最近(2015年5月1日)に、蚊取線香を含む幅広い商品やサービスを指定して登録されています。
今後、大日本除虫菊株式会社として、どのような事業を展開されるのかが推察できますね。
他の例として、LINE株式会社は、もとは、NHN Japan 株式会社だった会社名を、爆発的にヒットした自社プロダクト「LINE」に合わせて、「LINE株式会社」に商号変更しています。
LINE株式会社の沿革はこちら。
https://linecorp.com/ja/company/history
会社名を商標登録するか否かは迷うところですが、他社が同じ文言や似た文言を自社が提供する商品やサービスを指定して商標登録してしまった場合、会社名を、商標として使用することができなくなりますので、その可能性があるかどうかを検討してみる必要があります。
安全策を採るのであれば、やはり株式会社等は除いた会社名の商標登録をお勧めします。
さわべ特許事務所
https://sawabe-pat.com