中小企業庁:「中小企業の知的財産を適切に保護するための契約実務について」研修受講

昨日(2021年2月15日)に、日本弁理士会のウェビナー研修会「中小企業の知的財産を適切に保護するための契約実務について」を受講しました。

中小企業庁の方を講師に迎え、「中小企業の知的財産・ノウハウの保護に関する現状と課題」と「知的財産取引に関するガイドライン及び契約書ひな型等について」の講義を受けました。

中小企業庁での重点課題「未来志向型の取引慣行に向けて」では、既存の重点3課題に加え、新たに「知財・ノウハウの保護」「働き方改革に伴うしわ寄せ防止」が追加され、弁理士としてサポートできる「知財・ノウハウの保護」では、中小企業が知的財産権等に関して、公正な条件で適正な契約を締結できていない等の課題が挙げられていました。

未来志向型の取引慣行に向けてのウェブページ
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/torihiki/miraitorihiki.htm

また、中小企業庁では、令和2(2020)年7月22日から「知的財産取引検討会」が開催されており、下記のような論点について検討され、もうじきとりまとめが行われるようです。
(1)適正な契約締結 ⇒ガイドライン・契約のひな形
(2)外部専⾨⼈材の不⾜
(3)中⼩企業における知財重要性の認識

知的財産取引検討会(第6回) 配布資料
https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/kenkyukai/chizaitorihiki/201223chizaitorihiki.html

講義では、下請Gメン(取引調査員)によって、優位な立場にある企業による問題行為がヒアリングによって明らかになっており、その具体例についても説明していただきました。

一方、ヒアリングのなかでは、コロナ禍において発注数量が減った分の値上げを⾏ってくれた等の相手を配慮した取引が行われている場合もあり、企業によって、その対応はさまざまなことが分かります。

技術力のある企業が積み上げてきた技術やノウハウを掠め取るような行為は、当然許されず、これから白日のもとにされされることが多くなることを意識して、企業が互いに公正な契約をし、フェアで合理的な関係を築くことがこれからの産業界の活性化に繋がるものだと思います。

さわべ特許事務所
https://sawabe-pat.com

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