2021年3月18日に、情報処理推進機構(IPA)が「企業における営業秘密管理に関する実態調査2020」報告書を公開しています。
https://www.ipa.go.jp/security/fy2020/reports/ts_kanri/index.html
2016年に行われた調査と比較する形で、今回の調査概要が示されています。
2020年の「情報漏えいに関するインシデント」は、2016年と比べ若干減少傾向のようです。
秘密保持契約を締結する企業が2016年より増加していることが、インシデントの発生の減少に多少寄与したのかもしれません。
役員を対象とする秘密保持契約の締結状況:36.3%(2016年)→44.6%(2020年)
従業員を対象とする秘密保持契約の締結状況:46.1%(2016年)→56.6%(2020年)
また、情報漏洩ルートとしては、「中途退職者(役員・正社員)による漏洩」(36.3%)で今回のトップとなっていることから、秘密保持契約締結(特に、退職時)の重要性がますます高まっています。
営業秘密情報への不正なアクセスを防ぐための対策についても、実施状況とともに報告されていますので、どの業界の企業であっても、この報告書は一読しておくことをお勧めします。
このような報告書で、巷で認識されている「営業秘密管理」に関する課題や問題点を認識した上で、自社の就業規則や秘密保持契約等をもう一度見直してみてはいかがでしょうか。
さわべ特許事務所
https://sawabe-pat.com